ミストコレクターとは?種類・設置方法・選び方をわかりやすく解説!
ミストコレクターとは、工作機械から発生するオイルミストを吸引・除去する装置です。
マシニングセンターやNC旋盤などを使用している工場では、切削油や潤滑油が細かい霧状になり、空気中に浮遊することがあります。この油分を含んだ霧を、オイルミストと呼びます。
オイルミストを放置すると、作業者の健康被害、床面の油汚れ、機械設備の故障、空調効率の低下などにつながる可能性があります。
そのため、工場の作業環境を維持するうえで、ミストコレクターは重要な設備です。
ただし、ミストコレクターには複数の種類があります。また、工作機械の構造や工場レイアウトによって、適した設置方法も変わります。
本記事では、ミストコレクターの基礎知識、3つの種類、3つの設置方法、自社に合う選び方までをわかりやすく解説します。

- 01. ミストコレクターとは?オイルミストを除去する装置
- 02. オイルミストを放置する3つの悪影響
- 03. ミストコレクターの種類は主に3つ
- 04. ミストコレクターの種類を比較
- 05. 赤松電機製作所のミストコレクターラインナップ
- 06. ミストコレクターの設置方法は主に3つ
- 07. ミストコレクターの設置方法を比較
- 08. 自社に合うミストコレクターの選び方
- 09. ミストコレクター選定の目安
- 10. ミストコレクターは金属加工以外にも使われる
- 11. ミストコレクターに関するよくある質問
- 12. まとめ|ミストコレクターは種類・設置方法・運用負荷で選ぶ
- 13. お問い合わせ・資料請求
ミストコレクターとは?オイルミストを除去する装置
ミストコレクターとは、工作機械での切削・研削加工時に発生するオイルミストを吸引し、空気中から除去する装置です。
主に、工場内の空気環境を改善する目的で使用されます。
また、作業者の健康を守るだけでなく、床面の油汚れや設備故障を防ぐ役割もあります。
オイルミストとは何か
オイルミストとは、切削油や潤滑油が微細な霧状になって空気中に浮遊したものです。
工作機械の高速回転、高圧給油、研削加工などによって発生します。
特に、以下のような加工条件では、オイルミストの発生量が多くなる傾向があります。
- 高速切削を行っている
- 高圧給油加工を行っている
- 研削加工を行っている
- 工作機械の稼働時間が長い
- 油性切削油を使用している
また、加工条件によっては、オイルミストだけでなく油煙が発生する場合もあります。
油煙は粒子が細かく、通常のミストよりも捕集が難しいケースがあります。そのため、油煙が発生する現場では、油煙対応のミストコレクターを選ぶことが重要です。
ミストコレクターが必要とされる理由
ミストコレクターが必要とされる理由は、オイルミストが工場内のさまざまな問題につながるためです。
オイルミストは目に見えにくい場合があります。しかし、空気中に浮遊した油分は、作業者の体や床面、設備、空調機などに付着します。
その結果、健康被害、転倒事故、設備故障、清掃工数の増加などが発生する可能性があります。
つまり、ミストコレクターは単なる空気清浄装置ではありません。
作業環境、安全性、設備保全、生産性を守るための装置です。
ミストコレクターを導入するメリット
ミストコレクターを導入すると、工場環境の改善につながります。
主なメリットは以下の通りです。
- 作業者の健康被害を防ぎやすくなる
- 床面の油汚れによる転倒リスクを減らせる
- 視界不良や作業ミスを防ぎやすくなる
- 機械設備への油分付着を抑えられる
- 電子機器のショートや腐食リスクを減らせる
- 空調効率の低下を防ぎやすくなる
- 工場内の清掃負担を軽減できる
- 作業環境の改善により、生産性維持につながる
このように、ミストコレクターは作業者と設備の両方を守るために役立ちます。
オイルミストを放置する3つの悪影響
オイルミストを放置すると、工場内にさまざまな悪影響が出る可能性があります。
主なリスクは以下の3つです。
- 人体への影響
- 作業環境への影響
- 機械・設備への影響
それぞれ詳しく解説します。
人体への影響|呼吸器・皮膚・目への健康被害
オイルミストを長期間吸い込むと、作業者の健康に悪影響を与える可能性があります。
また、目に入ったり、皮膚に付着したりすることでも不調につながります。
主な健康被害は以下の通りです。
- 肌荒れ
- 湿疹
- 鼻や喉の痛み
- 呼吸器系の不調
- 目の充血
- ドライアイ
- 頭痛
- 吐き気
特に注意すべきなのは、呼吸器系への影響です。
作業者が日常的にオイルミストを吸い込む環境では、体調不良や離職リスクにつながる可能性があります。
そのため、作業者の健康を守る意味でも、オイルミスト対策は重要です。
作業環境への影響|転倒事故・視界不良・品質低下
オイルミストは、工場全体の作業環境にも悪影響を与えます。
例えば、空気中にミストが多い状態では、視界が悪くなることがあります。視界不良は、作業ミスや事故の原因になります。
また、オイルミストが床面に付着すると、滑りやすい状態になります。その結果、転倒や滑落などの労働災害が発生する可能性があります。
具体的な影響は以下の通りです。
- 視界不良による作業ミス
- 床面の油分付着による転倒リスク
- 天井や壁面への油汚れ
- 製品や備品への油分付着
- 清掃工数の増加
- 作業者のモチベーション低下
- 工場全体の衛生環境の悪化
このように、オイルミストは単に空気が汚れるだけの問題ではありません。
工場全体の安全性や作業効率にも関わる問題です。
機械・設備への影響|故障・腐食・空調コスト増加
オイルミストは、工作機械や周辺設備にも悪影響を与えます。
特に、電子機器に油分が付着すると、ショートや機能不全の原因になる可能性があります。
また、金属部品や樹脂部品に油分が付着すると、腐食や劣化を早める場合があります。
主な設備面のリスクは以下の通りです。
- 電子機器への油分付着
- ショートや機能不全
- 金属部品の腐食
- 樹脂部品の劣化
- 空調機のフィルター詰まり
- 冷暖房効率の低下
- 修理費用や保全コストの増加
さらに、工場内の空気が汚れると、空調設備にも負荷がかかります。
結果として、空調コストやメンテナンス費用が増える可能性があります。
そのため、オイルミスト対策は設備保全の観点からも重要です。

関連記事:オイルミストの悪影響とは?人体・作業環境・地球環境への影響と対策を解説!
ミストコレクターの種類は主に3つ
ミストコレクターは、オイルミストを捕集する仕組みによって、主に3つの種類に分けられます。
- フィルター式
- フィルターレス式
- 電気集塵式
それぞれ捕集方式やメンテナンス性が異なります。
そのため、自社の加工条件、油の種類、ミストの量、メンテナンス体制に合わせて選ぶことが重要です。
フィルター式|初期費用を抑えやすい一般的な方式
フィルター式は、最も一般的なミストコレクターの方式です。
ファンで吸い込んだオイルミストを、フィルターでろ過して捕集します。捕集された油分は、ミストコレクター下部のドレンホースなどから排出されます。
構造が比較的シンプルなため、導入しやすい方式です。
フィルター式のメリット
フィルター式の主なメリットは以下の通りです。
- 構造がシンプル
- 初期費用を抑えやすい
- 現場で管理しやすい
- 保守作業がわかりやすい
- 安全性が高い
- 操作が簡単
特に、初めてミストコレクターを導入する現場では、扱いやすい方式です。
フィルター式のデメリット
一方で、フィルター式には注意点もあります。
主なデメリットは以下の通りです。
- フィルターが目詰まりする可能性がある
- 定期的なフィルター交換が必要
- 粉塵成分が多い現場では負荷が大きい
- 使用済みフィルターの廃棄費用が発生する
- 通気抵抗により消費電力が大きくなる場合がある
そのため、導入後のメンテナンス体制も含めて検討する必要があります。
フィルター式が向いている現場
フィルター式は、以下のような現場に向いています。
- 初期費用を抑えたい現場
- 一般的なオイルミスト対策を行いたい現場
- 管理しやすい方式を選びたい現場
- 保守作業をわかりやすくしたい現場
ただし、粉塵成分やオイルミストの発生量が多い現場では、フィルターの目詰まりや交換頻度に注意が必要です。
フィルターレス式|メンテナンス工数を抑えやすい方式
フィルターレス式は、従来のフィルターではなく、回転ディスクや遠心力を利用してオイルミストを分離・捕集する方式です。
フィルターの使用量が少ないため、メンテナンス工数を抑えやすい点が特徴です。
また、フィルター交換の頻度を減らせるため、ランニングコストを抑えたい現場にも向いています。
フィルターレス式のメリット
フィルターレス式の主なメリットは以下の通りです。
- フィルター交換の手間を減らせる
- メンテナンス工数を抑えやすい
- ランニングコストを抑えやすい
- 設備管理の負担を軽減できる
- 長期稼働しやすい
特に、保全担当者の負担を減らしたい現場では有効です。
フィルターレス式のデメリット
一方で、フィルターレス式にも注意点があります。
主なデメリットは以下の通りです。
- 微細なオイルミストの捕集が難しい場合がある
- サブミクロン粒子への対応には限界がある
- 加工条件によっては追加フィルターが必要になる
- 油煙が多い現場では適さない場合がある
そのため、ミストの粒子径や油煙の有無を確認してから選定する必要があります。
フィルターレス式が向いている現場
フィルターレス式は、以下のような現場に向いています。
- メンテナンス工数を減らしたい現場
- フィルター交換の手間を減らしたい現場
- ランニングコストを抑えたい現場
- 保全担当者の負担を軽減したい現場
ただし、微細なミストや油煙が多い場合は、捕集性能を確認する必要があります。
電気集塵式|微細なオイルミストに対応しやすい方式
電気集塵式は、高電圧によってオイルミスト粒子を帯電させ、静電力で油分を吸着・捕集する方式です。
1μm以下の微細なオイルミストにも対応しやすい点が特徴です。
また、電極は洗浄して繰り返し使用できるため、フィルター廃棄物を減らせる場合があります。
電気集塵式のメリット
電気集塵式の主なメリットは以下の通りです。
- 微細なオイルミストを捕集しやすい
- 高い捕集効率が期待できる
- フィルター交換の手間を減らせる
- 電極を洗浄して再利用できる
- 産業廃棄物を減らせる場合がある
微細粒子への対応を重視する場合は、有力な選択肢です。
電気集塵式のデメリット
一方で、電気集塵式は導入・運用面で注意が必要です。
主なデメリットは以下の通りです。
- 高電圧を使用するため取り扱いに注意が必要
- 設置場所に制約が出る場合がある
- 電極の洗浄作業が必要
- メンテナンスを怠ると停止しやすい
- メンテナンス費用が高くなる場合がある
そのため、捕集性能だけでなく、保守体制も含めて検討する必要があります。
電気集塵式が向いている現場
電気集塵式は、以下のような現場に向いています。
- 微細なオイルミストを捕集したい現場
- 高い捕集性能を重視する現場
- フィルター廃棄物を減らしたい現場
- 電極洗浄などのメンテナンス体制がある現場
ただし、高電圧を使用するため、安全面や設置場所には注意が必要です。
関連記事:ミストコレクターの選定方法とは?風量・種類・設置方法から選び方を解説!
ミストコレクターの種類を比較
ミストコレクターを選ぶ際は、種類ごとの特徴を比較することが重要です。
以下の表では、フィルター式、フィルターレス式、電気集塵式の違いを整理しています。

赤松電機製作所のミストコレクターラインナップ
ここからは、ミストコレクターの種類や現場課題に合わせて、赤松電機製作所のオニカゼシリーズを紹介します。
赤松電機製作所では、油煙対策、省ここからは、ミストコレクターの種類や現場課題に合わせて、赤松電機製作所のオニカゼシリーズを紹介します。
赤松電機製作所では、油煙対策、省エネ、微細ミスト対策、省力化など、現場の課題に応じたミストコレクターを用意しています。
高捕集重視ならHVSシリーズ
赤松電機製作所のオニカゼ ヘビースモーカー HVSシリーズは、油煙やオイルミストが発生する現場に対応したミストコレクターです。
一般的なフィルター式ミストコレクターでは捕集ができない油煙に対応できるファイナルフィルターを標準搭載しています。
また、ONIKAZE独自の段階的な捕集構造により、フィルター式の課題である目詰まりのしやすさを軽減しています。
そのため、油性切削油を使用している現場や、油煙が発生している現場では、HVSシリーズが有効な選択肢になります。
PRODUCT MOVIE
油煙やオイルミストが発生する現場に対応する、HVSシリーズの紹介動画です。
約30秒で特長をご覧いただけます。
省エネ重視ならSMGシリーズ
赤松電機製作所のオニカゼ スマートミストマジック SMGシリーズは、省エネ性を重視したミストコレクターです。
遠心分離により、ミスト・切粉・スラッジを内部に溜めにくい構造になっています。
そのため、長期稼働しやすく、ドレン配管も不要です。
また、消費電力を従来比で約50%削減できるため、電気代やCO2排出量を抑えたい現場に向いています。
さらに、より高い捕集性能を求める場合には、アフターフィルターを追加することも可能です。
PRODUCT MOVIE
消費電力の削減やCO2排出量の低減を重視する現場に向けた、SMGシリーズの紹介動画です。
約30秒で特長をご覧いただけます。
省人・省力化重視ならSMXシリーズ
赤松電機製作所のオニカゼ スマートゼロ SMXシリーズは、微細なオイルミスト対策とメンテナンス負担の軽減を両立したミストコレクターです。
ロータリー式を採用しており、フィルターレス方式のメリットを活かしながら、メンテナンス周期を延ばしやすい構造になっています。
また、一般的なフィルターレス式では捕集が難しい1μm以上の微細粒子にも対応できます。
そのため、省人化や省力化を重視する現場に向いています。エネ、微細ミスト対策、省力化など、現場の課題に応じたミストコレクターを用意しています。
PRODUCT MOVIE
微細なオイルミスト対策や、メンテナンス負担の軽減を重視する現場に向けた、SMXシリーズの紹介動画です。
約30秒で特長をご覧いただけます。
製品選定で迷った場合の判断基準
選定で迷う場合は、現場の課題から候補を絞り込むと判断しやすくなります。
ミストコレクターの設置方法は主に3つ
ミストコレクターは、種類だけでなく設置方法も重要です。
同じ装置を使用しても、設置方法が適切でなければ十分な効果を発揮できない場合があります。
代表的な設置方法は、以下の3つです。
- 直結吸気方式
- 局所吸気方式
- 広域吸気方式
工作機械の構造や工場レイアウトに合わせて選びましょう。
直結吸気方式|密閉型の工作機械に適した設置方法
直結吸気方式は、NC旋盤やマシニングセンタ、複合加工機などに多く採用される設置方法です。
加工室が密閉されている工作機械に対して、ミストコレクターをダクトホースで接続します。
加工室内に発生したオイルミストを直接吸引できるため、効率的な捕集が可能です。
直結吸気方式のメリット
直結吸気方式の主なメリットは以下の通りです。
- ミストを逃がしにくい
- 捕集効率が高い
- 工場全体への拡散を抑えやすい
- 費用対効果が高い
- 密閉型の工作機械と相性が良い
特に、加工室が密閉されている設備では、標準的な設置方法といえます。
直結吸気方式の設置ポイント
直結吸気方式では、ダクトの設計が重要です。
確認すべきポイントは以下の通りです。
- ダクトホースの径が適切か
- ダクトホースが長すぎないか
- 曲がりが多くなっていないか
- 吸引力が不足していないか
- 定期的にダクト清掃できるか
また、複数台の工作機械を1台のミストコレクターに接続する場合は、吸引力の配分に注意が必要です。
吸引力が不足すると、ミストを十分に捕集できない可能性があります。
局所吸気方式|開放型の工作機械に適した設置方法
局所吸気方式は、加工部が密閉されていない工作機械に適した設置方法です。
例えば、汎用旋盤や研削盤などでは、加工部を完全に密閉できない場合があります。
そのような現場では、ミストの発生源にホースやフードを近づけて吸引します。
局所吸気方式のメリット
局所吸気方式の主なメリットは以下の通りです。
- 既存設備に後付けしやすい
- 工作機械の改造を最小限に抑えられる
- 加工条件に合わせて吸引位置を調整できる
- 開放型の工作機械に対応しやすい
そのため、古い設備や汎用機を使用している現場でも導入しやすい方式です。
局所吸気方式の設置ポイント
局所吸気方式では、吸引位置が重要です。
確認すべきポイントは以下の通りです。
- ホース先端がミスト発生源に近いか
- ミストの流れを考慮しているか
- 周囲の風の影響を受けていないか
- 作業者の動線を妨げていないか
- 加工内容に応じて位置調整できるか
ただし、直結吸気方式に比べると、一部のミストが逃げる可能性があります。
そのため、発生源にできるだけ近い位置で吸引することが重要です。
広域吸気方式|工場全体のミスト対策に有効な設置方法
広域吸気方式は、工場全体の空気環境を改善するための設置方法です。
直結吸気方式や局所吸気方式だけでは、すべてのオイルミストを捕集できない場合に使用されます。
例えば、ミストコレクター機能付きの空調機を導入したり、小型のミストコレクターを工場内に分散設置したりします。
広域吸気方式のメリット
広域吸気方式の主なメリットは以下の通りです。
- 工場全体の空気環境を改善しやすい
- 複数の工作機械から発生するミストに対応できる
- 局所的に残ったミストを補助的に捕集できる
- 作業者の快適性向上につながる
- 長期的な環境改善に役立つ
特に、複数の加工機が稼働している工場では有効です。
広域吸気方式の設計ポイント
広域吸気方式では、工場全体のレイアウトを考慮する必要があります。
確認すべきポイントは以下の通りです。
- 工作機械の配置
- ミストの発生量
- 空気の流れ
- 空調設備との関係
- 換気経路
- 作業者の動線
- 設置台数と配置場所
なお、換気だけに頼ると、オイルミストを外部へ排出してしまう可能性があります。
そのため、直結吸気方式や局所吸気方式と組み合わせて使う方法が有効です。
例えば、**「直結吸気方式+広域吸気方式」**のように組み合わせることで、発生源対策と工場全体の環境改善を両立しやすくなります。
ミストコレクターの設置方法を比較
ミストコレクターの設置方法は、工作機械の構造や工場レイアウトによって選ぶ必要があります。
以下の表では、代表的な3つの設置方法を比較しています。

関連記事:”ミストコレクターの設置方法”3選!メリットもあわせて解説!
自社に合うミストコレクターの選び方
ミストコレクターを選ぶ際は、価格だけで判断しないことが重要です。
なぜなら、加工条件や設置環境に合っていない装置を選ぶと、十分な効果が出ない可能性があるためです。
ここでは、選定時に確認すべきポイントを5つに分けて解説します。
1.工作機械の種類と加工室の密閉性を確認する
まず、自社で使用している工作機械の種類を確認しましょう。
確認すべき項目は以下の通りです。
- NC旋盤
- マシニングセンタ
- 複合加工機
- 汎用旋盤
- 研削盤
- その他の加工機
次に、加工室が密閉されているかどうかを確認します。
密閉型の工作機械であれば、直結吸気方式が向いています。
一方で、開放型の工作機械であれば、局所吸気方式を検討する必要があります。
2.切削油の種類と油煙の有無を確認する
次に、使用している切削油の種類を確認します。
特に重要なのは、油性切削油を使用しているかどうかです。
油性切削油を使用している場合、加工条件によっては油煙が発生することがあります。
油煙が発生している現場では、通常のオイルミスト対策だけでは不十分な場合があります。
そのため、油煙対応のミストコレクターを優先して検討する必要があります。
3.オイルミストの量と粒子の細かさを確認する
次に、発生するオイルミストの量と粒子の細かさを確認します。
確認すべき項目は以下の通りです。
- ミストの発生量が多いか
- 粒子が細かいか
- 油煙のように見えるか
- 工場内に白いもやが出ているか
- 設備や床に油分が付着しているか
高速切削や研削加工では、ミストの発生量が多くなる傾向があります。
また、微細なミストが多い場合は、捕集性能の高い機種を検討する必要があります。
4.メンテナンス工数とランニングコストを比較する
ミストコレクターは、導入後の運用も重要です。
初期費用が安くても、フィルター交換や清掃の負担が大きければ、長期的なコストが増える可能性があります。
確認すべき項目は以下の通りです。
- フィルター交換の頻度
- 清掃作業のしやすさ
- 使用済みフィルターの廃棄費用
- 消費電力
- メンテナンスに必要な人員
- 停止時間の発生リスク
例えば、メンテナンス工数を抑えたい場合は、フィルターレス式が候補になります。
一方で、油煙や微細ミストへの対応を重視する場合は、HVSシリーズやSMXシリーズ、電気集塵式などを比較する必要があります。
5.設置スペース・電源・ダクト工事を確認する
最後に、設置条件を確認します。
ミストコレクターは、装置本体を選ぶだけでは導入できません。設置スペースやダクト工事、電源容量なども確認が必要です。
確認すべき項目は以下の通りです。
- 機械上部に設置スペースがあるか
- 床置きにする必要があるか
- ダクト配管の工事が可能か
- 既存の電源容量で対応できるか
- メンテナンス時に作業スペースを確保できるか
- 周辺設備と干渉しないか
特に、既存設備に後付けする場合は、事前確認が重要です。
導入後に「設置できない」「吸引力が足りない」とならないよう、現場環境を確認してから選定しましょう。
ミストコレクター選定の目安
ここまでの内容を踏まえると、ミストコレクターは以下のように選ぶと整理しやすくなります。
ミストコレクターは金属加工以外にも使われる
ミストコレクターは、金属加工工場で使われるイメージが強い装置です。
しかし、用途は金属加工だけに限られません。
微細なミストや粒子が発生する現場では、さまざまな分野で活用されています。
[H3] 半導体・精密部品製造での活用例
ミストコレクターは、金属加工工場で使われるイメージが強い装置です。
しかし、用途は金属加工だけに限られません。
微細なミストや粒子が発生する現場では、さまざまな分野で活用されています。
半導体・精密部品製造での活用例
半導体や精密部品の製造現場でも、ミストコレクターが使われる場合があります。
例えば、ダイサーや精密洗浄機などでは、微細加工に伴ってミストや粒子が発生することがあります。
このような現場では、クリーンな環境を維持することが重要です。
そのため、電気集塵式やファイナルフィルター搭載モデルなど、高い捕集性能を持つ装置が選ばれることがあります。
このように、ミストコレクターは業界や用途に応じて幅広く活用できる装置です。
ミストコレクターに関するよくある質問
ここでは、ミストコレクターに関するよくある質問をまとめます。
導入前の確認や、機種選定時の参考にしてください。
ミストコレクターとは何ですか?
ミストコレクターとは、工作機械から発生するオイルミストを吸引・除去する装置です。
作業者の健康被害、床面の油汚れ、設備故障を防ぐ目的で使用されます。
ミストコレクターにはどんな種類がありますか?
ミストコレクターの主な種類は、フィルター式、フィルターレス式、電気集塵式の3つです。
それぞれ捕集方式、メンテナンス性、対応できる粒子の細かさが異なります。
ミストコレクターの設置方法には何がありますか?
ミストコレクターの主な設置方法は、直結吸気方式、局所吸気方式、広域吸気方式の3つです。
工作機械の密閉性や工場レイアウトに応じて選びます。
油煙が発生する場合はどのミストコレクターを選ぶべきですか?
油煙が発生する場合は、油煙対応のミストコレクターを選ぶ必要があります。
油性切削油を使用している現場では、油煙対応モデルを優先して検討しましょう。
ミストコレクター選定で最初に確認すべきことは何ですか?
最初に確認すべきことは、工作機械の種類、加工室の密閉性、切削油の種類、油煙の有無です。
これらによって、適したミストコレクターの種類と設置方法が変わります。
フィルター式とフィルターレス式はどちらが良いですか?
どちらが良いかは、現場条件によって変わります。
初期費用や扱いやすさを重視する場合は、フィルター式が候補になります。
一方で、メンテナンス工数やランニングコストを抑えたい場合は、フィルターレス式が候補になります。
ただし、微細ミストや油煙が多い場合は、捕集性能を確認したうえで選定する必要があります。
ミストコレクターは後付けできますか?
多くの場合、ミストコレクターは既存設備にも後付けできます。
ただし、設置スペース、電源容量、ダクト配管、吸引位置などの確認が必要です。
特に開放型の工作機械では、局所吸気方式などを検討する場合があります。
まとめ|ミストコレクターは種類・設置方法・運用負荷で選ぶ
ミストコレクターは、工作機械から発生するオイルミストを吸引・除去する装置です。
オイルミストを放置すると、作業者の健康被害、作業環境の悪化、機械設備の故障リスクにつながります。
そのため、工場環境を維持するうえで、ミストコレクターの導入は重要です。
ミストコレクターを選ぶ際の視点
ミストコレクターを選ぶ際は、以下の視点で検討しましょう。
- 種類
フィルター式、フィルターレス式、電気集塵式の特徴を比較する。 - 設置方法
直結吸気方式、局所吸気方式、広域吸気方式から、工作機械や工場レイアウトに合う方法を選ぶ。 - 切削油と油煙の有無
油性切削油や油煙がある場合は、対応できる機種を優先して検討する。 - 運用負荷
フィルター交換、清掃、消費電力、メンテナンス体制を確認する。 - 設置条件
設置スペース、電源容量、ダクト工事の可否を確認する。
赤松電機製作所のオニカゼ ミストコレクター
赤松電機製作所では、加工条件や現場の課題に応じて選べるラインナップを用意しています。
PRODUCT LINEUP
オニカゼ ミストコレクターラインナップ
油煙・オイルミスト対策の主力3シリーズを、用途別に比較しやすく整理しました。
縦画面では横にスワイプしてご覧いただけます
ミストコレクターの導入を検討している方は、まず自社の加工条件や設置環境を整理しましょう。
そのうえで、最適な種類と設置方法を選ぶことが、工場環境の改善と安定稼働につながります。
お問い合わせ・資料請求
ミストコレクターの選定でお困りの場合は、赤松電機製作所までお気軽にご相談ください。
お客様の工場環境や加工条件を確認したうえで、最適なミストコレクターをご提案いたします。
▲HVSに蚊取り線香吸わせてみた【赤松電機製作所】