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“ミストコレクターの設置方法”3選|メリットと取り付けるべき理由を解説

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ミストコレクター設置例

工作機械を稼働をしていると、粉塵やオイルミストなどの発生が問題になります。

大抵の場合、工場の屋外に排気されることで、工場で働く従業員の健康被害や集中力の低下、事故の発生を防ぎます。

しかし、油分で粒子状であるオイルミストは、一般的な排気だけでは対処が難しいです。

例えば、換気扇を日常的に通過するオイルミストは、知らず知らずのうちに換気扇周りや通気口に蓄積していきます。

その結果、換気扇の動きが悪くなることで、より多くの電力を浪費することになり、最後には換気扇の交換を余儀なくされるリスクがあるのです。

本記事では、”ミストコレクターの3つの設置方法”を紹介すると共に、ミストコレクターを設置する3つのメリットを紹介します。

今回のポイント

・ミストコレクターの種類
・ミストコレクターの設置方法とメリット

工場で制御機器や空調機器の故障に困っているという方は、参考にしてみてください。

そもそもミストコレクターにはどんな種類があるのか

ミストコレクターとは、現場作業者の健康被害や電子機器・空調設備などの故障を引き起こす恐れのある「オイルミスト」を吸引・除去する機器です。

ミストコレクターには、3種類のタイプがあります。

  1. フィルター式
  2. フィルターレス式
  3. 電気収集式

フィルター式は、フィルター交換の作業は必要ですが、取り扱いが簡単で、比較的安価に購入できるタイプです。

フィルターレス式は、1μm(マイクロメートル)以下の粒子は除去できませんが、メンテナンスの手間が軽減するタイプです。

その一方で、電気分離式は高性能で廃棄物が出ない反面、価格が高めです。

切削油を使用して工作機械を稼働していると、どうしてもオイルミストが発生してしまいます。

長期的なスパンで費用対効果を考慮すれば、ミストコレクターを設置して、オイルミストによって生じる実害を予防するのが堅実でしょう。

”ミストコレクターの設置方法”は3種類

ミストコレクターには、主に3種類の設置方法が存在します。

  1. 直結吸気方式
  2. 局所吸気方式
  3. 広域吸気方式

工場の操業方法や取り付けの作業工程の多さを考えながら、自分の会社にあった、適切なミストコレクターの設置方法を検討する必要があります。

以下で説明する3種類のミストコレクターの設置方法を参考にして、自分の会社の操業方法にあった設置方法をみつけてみてください。

”ミストコレクターの設置方法”1:直結吸気方式

ミストコレクターの設置方法の1つ目は、直結吸気方式です。

この方法は、工作機械に小型のミストコレクターを設置する方法

工作機械から出たオイルミストを直接吸引・除去するので、捕集効率が高いと言えます。

直結吸気方式の使用がおすすめなのは、加工する箇所が密閉されている機械です。

具体的には、複合加工機やマシニングセンター、NC旋盤に取り付けるのがいいでしょう。

”ミストコレクターの設置方法”2:局所吸気方式

ミストコレクターの設置方法の2つ目は、局所吸気方式です。

この方法は、直接ミストコレクターを設置できない工作機械(フルカバーでない機械)を対象とした、ミストコレクターの設置方法です。

発生するオイルミストが流れる方向などを念頭に、刃物付近に直接ホースを近づけたり、フードなどでオイルミストを集中させたりして吸引します。

研削盤(グラインダー)などの工作機械の上部に配置して使われることが多い設置方法です。

”ミストコレクターの設置方法”3:広域吸気方式

ミストコレクターの設置方法の3つ目は、広域吸気方式です。

この方法は、直接吸気方式や局所吸気方式でも排気効率が上がらない場合に使われる設置方法

上記の2種類の設置方法は、工作機械それぞれにつき1つのミストコレクターがついている場面が想定される設置方法です。

そのため、機械が大きく、広範囲に及んでいる場合には、浄化効率が悪くなります。

その場合は、工場全体の排気口にミストコレクターを取りつけて、広範囲でオイルミストを浄化しましょう。

”ミストコレクターの設置方法”を正しくする3つのメリット

ミストコレクターを正しい設置方法で取りつけることで、3つのメリットが生まれます。

  1. 工場で働いている従業員の健康被害を軽減
  2. 環境に優しい操業が可能
  3. 工場排気に掛かるコストを削減

ミストコレクターを正しく設置すると、オイルミストの排気効率が上がり、従業員にも、環境にも優しい操業が可能です。

また、結果として、工場の排気コストの削減にも寄与します。

メリット1:工場で働いている従業員の健康被害を軽減

ミストコレクターを正しい設置方法で取り付けることで、オイルミストを吸引・除去し、清浄化された空気を排気してくれます。

オイルミストが適切に処理されていない環境にいると、従業員に以下のような健康被害がみられるでしょう。

  • 皮膚の炎症や腫れ
  • 目の疾患
  • 呼吸器系の疾患など

その結果、従業員が健康に働ける年数が少なくなり、会社は不利益を被ります。

また、オイルミストが床に蓄積すると、転倒して怪我をするリスクも上がるでしょう。

しかし、オイルミストを適切な設置方法で配置すれば、従業員の健康被害や怪我のリスクは低く抑えられるのです。

メリット2:環境に優しい操業が可能

ミストコレクターを正しい設置方法で取り付けると、大気汚染等を防ぎ、工場周辺の環境に優しい操業が可能になります。

オイルミストが空調機器などの内部に侵入することで、エネルギーを余分に消費していまうため、CO2増加などの地球環境にも大きな影響を与えてしまいます。

ミストコレクターを正しく設置できれば、周辺環境のみならず、環境にも優しい操業が可能になり、ひいてはカーボンニュートラルに貢献することができます。

メリット3:工場排気に掛かるコストを削減

ミストコレクターを正しい設置方法で取り付けることで、工場排気に掛かるコストや将来における維持管理コストが抑えられます。

オイルミストは粒子状で、目には見えないものです。

そのため、オイルミストの蓄積による問題は、それが顕在化するまでわかりづらいという点があります。

「今の所は大丈夫だから」という理由で処理を怠っていると、換気扇の排気機能が低下し、機械の作業効率が減少します。

そして、最終的には、機械の故障や部品の取り替えを余儀なくされるのです。

排気に掛かるコストや将来における維持管理コストを上げないためにも、ミストコレクターの正しい設置方法での取り付けを行うようにしましょう。

まとめ

オイルミストは、人体や環境に悪影響を及ぼす有害物質の1種。

このオイルミストの厄介な点は、目に見えない上に、悪影響が大きいことです。

オイルミストを放置していると、従業員の皮膚や呼吸器等などに健康被害を与えます。

加えて、オイルミストの堆積は転倒・滑落の原因や電子機器・空調機器の故障の原因になるのです。

ミストコレクターの設置方法は、以下の3つでした。

  1. 直結吸気方式
  2. 局所吸気方式
  3. 広域吸気方式

密閉型の機械であれば、直結吸気方式を活用し、カバーのない機械から出るオイルミストを吸引する場合は局所吸気方式を活用します。

また、より広範囲に渡ってオイルミストを吸引する場合には、広域吸気方式でミストコレクターを設置していくのが正しい方法です。

このように、工場での操業方法に合わせて、会社にとって適切なミストコレクターの設置方法を選ぶことが重要だと言えます。

そうすることで、従業員の健康被害が減り、環境にも配慮した操業が行えるでしょう。

また、排気に必要な余分なコストも削減できる可能性が高いです。

会社の操業方法に合わせた、適切なミストコレクターの設置方法を選んで、工業を稼働していく上でのリスクを出来るだけ抑えていきましょう。

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